この記事は初心者の方にもおすすめです。
目次
ポリッシャーってどんな工具?
ポリッシャーの特徴
- ディスク状のバフを回転させて研磨を行う電動工具です。
- 自動車の傷取り研磨やワックスの塗布・艶出しによく用いられます。この他にも、床の研磨や階段・通路の手すりの研磨、鏡の研磨などにも用いられています。
- 手作業と比べて格段にきれいに、しかも短時間で効率的に作業が行えます。
グラインダー・サンダーとの違い
似たような工具にディスクグラインダーやサンダーがあります。
ディスクグラインダー
ディスクグラインダーは、研磨の他に研削や切断をこなすことができます。ポリッシャーと比べて回転数がかなり高くトルクは抑えめになっています。荒削りがメインになるので、繊細な研磨には不向きです。また、構造上研磨に使用できる面も狭いので、削り過ぎやムラができやすく、本体の暴れなどの危険もあります。研磨メインであれば、ポリッシャーを選びましょう。
ランダムサンダー
ランダムサンダーは、主に木工用途で使われるため、集じん用のバッグがついている機種がほとんどです。ダブルアクションポリッシャーとほぼ同じ見た目をしていますが、見分け方はこのバッグの有無です。
いわゆる「ヤスリがけ」をするための工具なので、ダブルアクションポリッシャーと比べて回転数がかなり高くトルクは抑えめになっています。一部には回転数を調節できる機種もあり、慣れているプロの方であれば、両方の役目をこなせる万能機になりえますが、初心者の方やDIYで使うといった場合には、ポリッシャーを選びましょう。
ディスクサンダー
ディスクサンダーは研磨以外に研削もこなすことができます。用途や見た目はシングルアクションやダブルアクションのポリッシャーとかなり似ていますが、こちらも比較的回転が高めなので、研磨をメインにと考えているならばあまりおすすめはできません。慣れているプロの方であれば、両方の役目をこなせる万能機になりえますが、初心者の方やDIYで使うといった場合には、ポリッシャーを選びましょう。

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種類と選び方
それではさっそく、ポリッシャーの選び方について見ていきましょう。重要な点を項目ごとにまとめてみました。
AC電源式か、充電式か
ポリッシャーは、AC電源式ポリッシャーと充電式ポリッシャーの二つに分けられます。
AC電源式
ポリッシャーは、ほぼすべての機種が単相100Vを使用するAC電源式になっています。高トルクが必要な工具のため、充電式では非力だと考えられますね。また、消費電力も比較的高めになっています。

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充電式
ごく一部の機種では、充電式のものもあります。しかし、研磨面積はかなり限定的になり、使用時間にも制限があります。かなり狭い面積の研磨にしか使わないのであれば選択肢に入りますが、例えば車の研磨といった用途には向きません。基本的には、AC電源式の機種を選ぶといいでしょう。

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【2021年3月追記】
マキタや京セラから、18Vで比較的パワーのある充電式がラインナップに加わってきています。マキタのPV300Dは防滴・防じん仕様で、車のボディ研磨におすすめの機種です。
また、京セラからは、シングルアクションのDPE11XRに加えて、ギヤアクションのDPEG11XRもラインナップされています。
今後は充電式の選択肢も更に増えていくことが期待できますね。
回転方式で選ぶ
ポリッシャーの回転方式には、シングルアクション・ギヤアクション・ダブルアクションの三種類があります。
シングルアクションポリッシャー
(リョービカタログより)
単一回転のみで研磨を行うポリッシャーです。トルクが強く研磨力が高いので、傷取りや塗装後の肌調整などに用いられます。
研磨力が高い分、磨き傷やオーロラマーク(バフ目)が付きやすくなっており、プロの方向けのタイプです。
こちらのボタンから、シングルアクションタイプのおすすめ機種をご覧いただけます☟

ギヤアクションポリッシャー
(リョービカタログより)
回転運動に変則的な動きを加えて研磨を行うポリッシャーです。シングルアクションより研磨力は落ちますが、ダブルアクションよりは研磨力があるので、中間仕上げに用いられます。
磨き傷やオーロラマークもつきにくくなっています。
こちらのボタンから、ギヤアクションタイプのおすすめ機種をご覧いただけます☟

ダブルアクションポリッシャー
(リョービカタログより)
回転運動と偏芯運動によって研磨を行うポリッシャーです。研磨力は低めなので、最終仕上げで用いられます。
研磨力が低めな分、繊細な作業ができます。性能の向上により、従来であればギヤアクションやシングルアクションでなければ行えなかった作業にも対応できるようになってきており、ポリッシャーの中で主流のタイプになりつつあります。
初心者やDIYメインの方にもおすすめのタイプです。ランダムポリッシャーやランダムオービットポリッシャーと呼ばれることもあります。
こちらのボタンから、ダブルアクションタイプのおすすめ機種をご覧いただけます☟

ハイブリッドタイプも
一部の機種では、サンダーの機能とポリッシャーの機能を併せ持ったサンダーポリッシャーという名称で販売されているものがあります。このタイプは、設定可能な回転数に幅があり、低速側ではポリッシャーとして、高速側ではサンダーとして使える一台二役タイプです。研磨もするけど、研削もするといった方で、サンダーとポリッシャーを一台にまとめて使いたいという方におすすめです。
主なメーカー
ここでは、ポリッシャーの主要なメーカーについてご紹介します。
マキタ
HiKOKI(日立工機)
リョービ(京セラインダストリアルツールズ)
DIY向けツールのラインナップも豊富な電動工具メーカー。人気のあるポリッシャーを多数ラインナップ。
コンパクト・ツール株式会社
シングルアクションタイプおすすめ機種
お待たせしました。それでは、おすすめ機種を見ていきましょう。まずは、シングルアクションタイプからです。
充電式(シングルアクション)
マキタ 18V 充電式サンダポリッシャ PV300D
京セラ 18V充電式シングルアクションポリッシャー DPE11XR
AC電源式(シングルアクション)
マキタ 180mm電子ポリッシャー PV7001C/SP
HiKOKI(日立工機) 125mm電子ポリッシャ SP13V
放熱性が高い2分割モーターコイル形状と、樹脂ハウジングのベアリング室に鉄ブッシュを採用することにより、高耐久性を実現。定速度制御採用により負荷をかけても回転の低下が少なく、安定した仕上がりが得られる。先端工具の交換が簡単に行えるスピンドルロックを採用。エアカバー付きで、気になる冷却風の向きを変更できる(着脱可能)。
コンパクトツール 電動ポリッシャー C201
京セラ 電子シングルアクションポリッシャー APE201
| 回転数 | 600~2,000min-1 |
|---|---|
| シャフトねじ径 | M16 M12対応(要別売品) |
| 消費電力 | 1,100W |
| 寸法 (長×幅×高) | 194×236×87mm |
| コード長 | 5.0m |
| 重量 | 2.0kg |
負荷をかけても回転数の落ち込みを抑え、ムラの無い安定した研磨ができるフィードバック回路を搭載。片手で操作しやすい変速ダイヤルで、磨き作業に合わせた回転数に調節可能。インチングに対応、抜群のトリガ反応速度。ダイカスト製プロテクターで本体をしっかりとガード。操作性の良いロングタイプ補助ハンドル付き。
高儀 EARTH MAN 変速電動ポリッシャー EP-900SCA
| 回転数 | 600~2,000min-1 |
|---|---|
| シャフトねじ径 | M16 |
| 消費電力 | 900W |
| 寸法 (長×幅×高) | 225×93×245mm |
| コード長 | 5.0m |
| 重量 | 2.4kg |
ギアアクションタイプおすすめ機種
続いて、ギアアクションタイプのおすすめ機種です。
充電式(ギアアクション)
マキタ 18V 125mm ランダムオービットコードレスポリッシャ PO500D
京セラ 18V充電式ギヤアクションポリッシャー DPEG11XR
AC電源式(ギアアクション)
マキタ 125mmランダムオービットポリッシャ PO5000C
京セラ 電子ギヤアクションポリッシャー APEG130
コンパクトツール 電動ギアアクションポリッシャー G150N
ダブルアクションタイプおすすめ機種
こちらは、ダブルアクションタイプのおすすめ機種です。
充電式(ダブルアクション)
マキタ 18V 125mm ランダムオービットコードレスポリッシャ PO500D
AC電源式(ダブルアクション)
京セラ ダブルアクションポリッシャー 車磨き専用キット付 APED130KT
マキタ 125mmランダムオービットポリッシャ PO5000C
リョービ サンダーポリッシャー RSE1250
木工研削や車磨きなど多用途に使える一台。回転運動+偏心運動で研磨ムラが発生しにくい。研磨用ペーパーとポリシングスポンジ付きで、購入後すぐに作業ができる。集じんバッグ付きで、集じん機への接続も可能。Amazon.co.jpでも最も人気の機種。
リョービ ダブルアクションポリッシャー PED130KT
| 回転数 | 6,000~12,000min-1 |
|---|---|
| 消費電力 | 300W |
| 寸法 (長×幅×高) | 226×123×151mm |
| コード長 | 5.0m |
| 重量 | 1.5kg |
作業時に本体を押さえつける必要がないため扱いやすく、しかもキレイな仕上がり。回転運動+偏心運動で研磨ムラが発生しにくい。買ってすぐ使える「磨きと光沢、撥水効果のあるコンパウンド液車磨き専用キット」と収納に便利なバッグ付き。車の水垢取りやつや出しが素早く簡単にできる。Amazon.co.jpでも「Amazon’s Choice」に選ばれている人気の機種。
高儀 EARTH MAN 電動ポリッシャー EP-300A
| 回転数 | 900~3,000min-1 |
|---|---|
| 消費電力 | 60W |
| 寸法 (長×幅×高) | 280×148×195mm |
| コード長 | 5.0m |
| 重量 | 1.6kg |
車のワックスがけや拭き取り、ツヤ出しに最適。回転&偏心、楕円回転で手がけワックス感覚。一体型のトリガー&変速ダイヤルで簡単操作。スポンジパッド・タオル地パッドカバー・毛バフパッドカバー付きで、購入後すぐに作業ができる。
その他のポリッシャー
エア式もあります
数は少ないですが、エア式のポリッシャーもあります。電動式と比べて軽量で、よりパワフルになっています。圧縮空気の設備があるのであれば、候補に入れてみてもいいでしょう。

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床面用の大型ポリッシャーもあります
床の研磨に特化した大型の業務用ポリッシャーもあります。建築現場など広い範囲で作業する場合にはこちらがおすすめです。

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交換用バフ・部品について
ビルディでは、ポリッシャーの交換用バフや部品も取り扱っています。必要な方はこちらでお買い求め下さい。

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【番外編】ポリッシャー以外での磨き作業
ドリルドライバー・電動ドリル
研磨・ツヤ出し作業に関してはポリッシャーが最も適している工具になります。しかし、少しだけしか使わない場合や工具の数を増やしたくない場合などにはドリルドライバーや電動ドリルを使う方法があります。
通常のバフはポリッシャー専用ですが、ストレートチャックに対応した軸付きバフも発売されており、これを使うことでチャック式のドリルドライバーや電動ドリルでのポリッシング作業が可能です。
この方法は、自転車のホイールやご家庭の鏡・手すりといったごく狭い面積の研磨・ツヤ出し作業に有効です。また、ドリルドライバー・電動ドリルをドリルスタンドに固定して小物の研磨に使うといった方法もあります。一方、一度に研磨できる面積が狭いため車などの広範囲作業には不向きです。あくまでも簡易的な方法とお考え下さい。

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インパクトドライバー
インパクトドライバーなどの六角軸に対応した軸付きバフも発売されています。しかし、インパクトドライバーを使って綺麗に仕上げるためには、打撃機構を作動させない微妙な範囲でのトリガー操作が必要になってくるので、長時間や広範囲の作業には不向きです。短時間のごく狭い面積の研磨用とお考え下さい。
六角軸対応のドリルドライバーや電動ドリルをお持ちであれば、そちらを使うことをおすすめします。

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終わりに
ここまでご覧いただき、ありがとうございました。ポリッシャー(ハンドポリッシャー)の特長・選び方とおすすめ機種を分かりやすく解説、いかがでしたでしょうか。皆さまの機種選びのお役に立てば幸いです。またご質問などもお待ちしております! お気軽にお問い合わせください。
・ トラスコ中山株式会社 ( 2014 )『 知っておきたいプロツールの基礎知識「COCOMITE vol.2」 』 p.669 佐川印刷株式会社
【参考サイト】・ 京セラ インダストリアルツールズ株式会社 「 電動工具|研削・研磨|製品情報|京セラ インダストリアルツールズ株式会社 」, 京セラ インダストリアルツールズ株式会社 (2019年4月17日閲覧)











